コラム 2011年12月26日 マッピング
整体院と言うからには、普通は真っ先に書くようなことを書いていなかったように思います。身体のこと、骨格とか、筋肉とか、正しい姿勢、…etc.
どなたにでも当てはまるように書こうとしてしまうので、なかなか手をつけずにいました。しかし、たいていのクライアントさんに共通して一度はお話ししていることがあります。それを書いてみましょう。
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不都合なマッピング・骨格構造の錯誤です。
背骨は、どこにあるのか、だいたいの方はおわかりだと思います。触ってみましょう。こう、首の後ろに手をやると、頭との境の辺りから下へ、背中の真ん中を縦に通って、腰へ、ズボンにちょっと手を突っ込んで、尾てい骨まで、突起状の物が並んでいるのを触ることができます。そして、それらは全体としてゆるやかに前後に湾曲しているのが観察できると思います。横から見ると、アルファベットのS字のようになっています。歩いたりした際の振動が脳に直接伝わらないよう、背骨全体をしならせて力を分散させやすくしているようです。
まあ、このS字の度合いは人によって様々ですから、ここではあまり気にしないでいいです。かくいう私の背骨は、実にまっすぐ、すとんてな感じですが、なんら不都合は生じていません。また、横に湾曲、いわゆる側湾や、捻れが見られる方もあるかもしれません。これも、また不都合がなければ、そして、成長期でなければ、ここでは個性ととらえるのがよいとしておきましょう。このコラムを読み終わる頃には、多少変化がみられるかもしれませんし…。
そもそも、模型みたいな骨格の人は少ないのではないでしょうか。人には右利き左利きというのがあって、それは、手はもちろん、足、耳、目、鼻も息のしやすさがありますし、笑顔にだってあるのです。それに伴って左右の筋肉の付き方は微妙に異なります。第一、内臓の配置が左右対称ではありません。普通は重量のある肝臓が右側に張り出しています。だから、左と右の対称というのは大まかなもんです。それだけで十分凄いなあと、私などは思ってしまいます。
よく、こうした構造の乱れをもって、身体の不調の原因だとお考えの先生もいますが、それはそれで間違っているというわけでなく、単に私はその考えを重要視していません。そういう私がみると、構造の乱れの観察できた方全員に不調があるとは限らないようにみえます。逆に乱れまくっていても、元気にニコニコ生活していらっしゃる方を多く知っています。
ちょっと話が横道にそれました。もとに戻します。
背骨を触って確認したところでした。この背骨はいくつか役割がありますが、その1つに柱のように身体を支えるというのがあります。では、この背骨、どこで体重を支えているでしょう。背中側から何センチぐらいのところで身体を支えていると思いますか。
1センチ、2センチ、…、いかがでしょう。どの辺で体重を感じているでしょうか。
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一般的な体型の方ですと、背中とお腹の真ん中ぐらい、身体の中心を重心は貫いています。指で触れることができたのは、背骨の突起です。皮膚をはがしてみたら、ステゴザウルスのような突起があるのです。背骨の一個一個は椎骨と言って、首が7個、肋骨が付いている胸が12個、腰が5個、それから、だいぶん形状が異なりますが、骨盤に含まれる仙骨と尾てい骨があります。椎骨は茶筒を少し平べったくしたような椎体と突起からできています。この椎体が体重を支えるのを請け負っていて、それは、身体の真ん中ら辺にあると思っていただければよいです。(ちなみにこの椎体と椎体の間にあってクッションの役割をしているのが椎間板です。)そして、椎体は積み重なって、下にある物ほど太く頼もしくなっています。ですから、どんな運動をしても、この骨たちを信頼して支えてもらっておけばいいのです。
ところが、先ほどの質問で、1センチや2センチなど、背中側で支えていると思い込んでいた場合が問題なのです。無意識のうちに身体の前側を支えようと、後ろに体重をかけてしまうからです。極端に表現すれば、腰を前に突き出し、腰をそらせます。でもバランスがとれないので肩や顔を前へ突き出します。そして、背中を緊張させます。某応援団の団旗を四六時中捧げ持っている感じです。くたびれます。痛くなります。
その瞬間、怒りが発火するのが分かりました。しかし、同時に、とぼけた声で、何に怒るってんだよ〜。という、私の中の待ち構えていた部分が働きます。怒りは、あれれ?と肩すかし。私は想定通りにうまく行ったので、ニヤリとして歩き続けます。
では、どうすればいいかと言うと、1つ1つの椎骨が身体の真ん中にあるのだと思い直して、体重を預けることです。これだけで、だいぶん解決しやすくなります。
頭の中のイメージ、思い込みで、現場に違う指示を出してしまっているのです。こういうのを骨格構造の錯誤と言います。地図を見ながら歩くのに間違えた地図を使うと大変です。身体の構造を正しく頭の中にイメージする、マッピングするのが得策です。首だけを捻って真後ろを見ようと努力するのは自由ですが、それが無理なことに気づいた方がいいのと一緒です。こうしたことは、意外にも専門家であるはずの医師ですら錯誤しがちです。「そう言えば、そうだよな」と、よく言われます。
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背骨ついでにもう一つ。
お辞儀するとき、物を拾うとき、身体をどこで折っていますか。
ベルトライン、腰骨の上…、
これも錯誤を起こしやすいところです。
ベルトライン、そこに折れる関節はありません。背骨は丸めたり反ったり、くねくねしたりはできますが、きっぱり折れ曲がるのは苦手です。お辞儀するとき折れるのは、股関節です。ですから、きれいなお辞儀というのは、背中をまっすぐに保ちながら、股関節を曲げるのです。それは、身体の構造にも適っています。
物を拾うときには、股関節と膝関節をいっぱい使い、足りないところがあれば、背中を丸めるのを追加します。その方が楽なはずなのですが、なぜか楽と感じない人が多いようです。わざわざ腰に苦を押しつける必要はないはずなのですが…。
この楽と苦が分からなくなった状態に似ているのが、足を投げ出して椅子に座るというやつです。列車内での迷惑行為の1つになっています。
この座り方、安楽と認識しているのは頭だけです。背骨は背中の中途半端なところで折り曲げさせられ、胸は圧迫され、横隔膜が動きづらいので、呼吸が浅く、酸素供給が悪くなっています。
そこそこ頭が安楽を味わったら、座り直して、今度は身体に安楽を味わわせてあげた方がいいです。そうでないと他人への迷惑行為より、自分自身への迷惑行為になりかねません。
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どなたでも、頭の中に自分の身体構造のイメージを持っています。このイメージがあるから、机の上の物に手を伸ばすことができますし、椅子に座ることもできるのです。このイメージと実際の身体とのギャップを観察すると、しなくてもいい無理をしていることに気づいたりします。首はどうでしょう。肩は、肘は、手首。膝、足首…。続編を書くつもりでいます。それを読む前に、年末年始、ご自身で注意深く身体を観察してみてはいかがでしょうか。
ついでに、頭は食べたいと思っていても、身体はもう満足…みたいなことに気づけるかもしれません。
いろいろあった今年ももう暮れます。
よい年をお迎えくださいますように。
ありがとうございます。
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